index3.jpg (28841 バイト)satoyama02.jpg (14235 バイト)
自然の森でいろいろな体験ができました。(こどもの森で・・・)

 地元小学校の女性の校長先生がひときわ熱心に取り組んでおられますが、現在小学4年生を主とした「緑の少年団」の活動発表で兵庫県で最優秀となり、 全国での県代表となりました。<2000年9月16日 全国表彰を受けました。>
 この森づくりについては、何年か前の雑談の中で、「子供が自由に山に親しみ、遊べる山や川があればいいのに。情操面からも必要。」といった校長さんとの話をきっかけに、所有している山林を「鴨庄(かものしょう)っ子の森」 づくりに提供しているものです。
 夏の暑い日に、小学校PTAやお年寄りのグループが、奉仕で山の整備をしたり、カブトムシやクワガタを呼び込むためのホダ場をつくったり、卒業の記 念樹を植えたりしました。飯盒炊飯の体験もしました。これから、小鳥の巣箱を作ったり、椎茸づくりにも取り組もうという計画もあります。
 大人の目には、これと言って何もありませんが、山の中で子供は実によく遊ぶのです。どんぐりがあったとか、さわガニがいたとか、変わった木があった とか・・・。昨年は、松茸を見つけた子がいて、自慢そうに帰りには、近所の人に「鴨庄っ子の森で松茸見つけたで」とふれ回っていました。松茸が見つか れば大人だって胸ワクワクですね。
 農村で育ち、身近に小川や山がある環境で暮らしていると、自然もあまりありがたく感じないことが多いのですが、脳裏には幼い頃、山や川で遊んだ思い がよみがえってきます。川に入り、足を水にザブザブさせて網に魚を追い込んだり、山の中を一日中歩き、方角に迷い、とんでもない見知らぬ土地に下山し 道をたずね尋ね家にたどり着いた思い出など・・・。
 集落で同世代や年配の人と飲むとよく幼い頃の思い出に話題がいきます。こういった話に一種の安堵感、安らぎを感じるのだと思います。年配の人もこう いった話を聞いてあげると大変喜ばれます。
 日本の農村の原風景と言われるオタマジャクシやドジョウがいる水田やメダカが泳ぐ小川、クワガタやカブトムシのいる雑木林、こうした里山はほとんど 消滅しましたが、そこに遊んだ人の脳裏には生き続けています。

<里山での出来事・・・・>

 つい最近、地元の小学生20名余りが先生に連れられて、農園の側を通って整備をすすめている「森」に入っていきました。 しばらくは山の中からワイワイガヤガヤした子供たちの歓声がしておりましたが、しばらくして急に声が止み、今度はハーモニカの音が聞こえてきました。覗いてみると、「鴨庄っ子の森」の整備に協力いただいている年配の方が、森の中で子供たち を前にして、「おじいさんの少年のころの話」や「遊び道具の作り方」を教えまた、得意のハーモニカで吹く ♪うさぎ追いしかの山 こぶな釣りしかの川 ♪鉄腕アトムなど、子供たちは地面に座ってじっと聞いていました。
 森にこだまするメロディが印象的でした。

 何とも言えないホンワカした雰囲気でしたが、「小豆島が舞台になった『二十四の瞳』の岬の分校ならぬ、まるで山の学校みたい。」と言われた先生の一言が印象的でした。

<森の惨状、今なぜ里山の見直しか>

 日本の山は、「経済林」と言われる杉やヒノキの人工林が大部分を占めます。 経済林というのは、木を売ればお金になる山という意味です。

 しかし、日本の山の現状について、ほとんどの人は気がついていないと思う のですが、今、大変な状況にあるのです。「植林して、生育すれば、何十年後 には、相当な値で売れる」という思惑で、どの山も、この山も杉や、ヒノキだ らけの山になりました。
 しかしながら、日本の杉やヒノキが売れないのです。安い外材に押されたり、 植林した当時の戦後間もないころの経済情勢、住宅情勢も大きく変わってきた のです。
 外国の木材の利用もさることながら、これまでのような木材をふんだ んに使用するような大きな家も少なくなってきたことも大きく影響していると 聞きます。田舎でも、少子化、核家族化が進み、家の洋風化も進み、大きな家 もあまり必要ではありませんし、今建っている家で十分です。
 30〜50年たって、大きくなった杉、ヒノキが、1本何と数万円程度です。 それも出しやすい山のもので、経費を差し引くと何も残らないし、大きく赤字 です。奥地のものは、出しようがありません。
 こうした事情で、山主はお金をかけてまで山の手入れをせず、多くの山が放 置され、荒れており、杉やヒノキの林の中は、暗く、人をますます遠ざけています。
 また、土に保水力がないので、大雨が表土を流し、ガラガラの石や岩だらけに なっています。

 このことで、大雨や強風でいともたやすく大木が倒され、これが水をせき止 め周囲を荒らし、林道を潰すことで材木の運び出しが出来なくしているのが現 状です。
 このように山が荒れ、里にも極めて大きな影響が出ています。山で食べ物を 失った猿、鹿、、猪といった獣が里の農産物を荒らすのです。最近大変深刻です。
 保水力がないので、大雨は一気水、雨が何日か降らないと渇水ということで、 毎年の問題になっています。

 日本は国土の7割が山ですが、多くの山がこのような状況にあり、2割の農 地は、これまた米価の値下がり、農業の担い手難など多くの問題を抱え、荒廃 田が増えているのです。山、そして田の荒廃は、当然海にも影響しています。 近年近海での漁獲が減っています。まさに食の問題です。
 森林は、本来木材生産の場だけでなく、水資源の涵養、土砂崩れの防止、 大気の浄化、澄んだ水や肥沃な土壌を養う場であります。
 広葉樹の里山林は、自然の宝庫といわれます。四季の自然は安らぎを与えて くれ、また、里山の持つ優れた保水力、落ち葉の堆積した肥沃な土壌は上述の ように川から海に通じ、魚類の生息に大きな影響を与えると言われています。 オタマジャクシやドジョウがいる水田や、メダカが泳ぐ小川、クワガタやカブトムシ の雑木林、古くからの鎮守の森、こうした里山は日本の農村の現風景と言われ ますが、今はほとんど消滅しました。

 最近、「持続可能な社会」という言葉をよく耳にしますが、「金儲け」第一 主義でいくと大変なことになるというメッセージです。
 日本の財政危機、企業の破産問題が大きく報じられる昨今ですが、9割を占める山林、農地の荒廃対策ももっとみんなが関心を寄せるべき大問題だと思う のです。

 里山を守ることが、豊かな自然の生態系を保つことにつながります。


活動の記録

2000.12.2 「鴨庄っ子の森」で、一日中勉強しました。

2000.11.6 「鴨庄っ子の森」で、巣箱掛けをしました。

2000.9.16 「鴨庄っ子の森」づくり活動が全国表彰。

2000.8.20 「鴨庄っ子の子供会行事」 アマゴ取りをしました

2000.7.14 「鴨庄っ子の森」でカブト虫を探しました

2000.5.26 「鴨庄っ子の森」で春と夏を探しました

2000.4.25 「鴨庄っ子の森」で宝探しをしました

2000.3.18 卒業記念に「鴨庄っ子の森」の看板立てました

2000.2.22 待ちに、待った椎茸のホダ木づくり


トップページ

  自然の中での安らぎ<<HOLIDAY IN NATURE>>と
「食」の安全性を現場で実践する・・・・
農事組合法人 丹波いちじまふぁーむ
〒669-4312 兵庫県丹波市市島町北奥160
TEL:0795−85−0448 FAX:0795−85−0876
e-mail:info@okutanba.jp

農園の場所(Yahoo!MAP)