季節の写真館 Vol,116
2008年4月7日

「桜花爛漫」の春を迎えて!

 4月に入り、春本番の陽気が続きます。

 毎年の「全国高校女子硬式野球大会」がここ丹波市市島町の「スポーツピアいちじま」のグランドで開始され、スポーツ面でも丹波に春が訪れます。


 この時期、春がいちばん感じられる場所を野に求め、「春の川の流れ、堤の桜並木が一斉に開花し、そして堤防土手に菜の花が咲いている景色」に目が留まりました。

 丹波いちじまふぁーむ の農園の桜も4月8日〜10日頃に満開を迎えます。 


 まさに「桜花爛漫」の桜の開花です。
 花と言えば、日本では昔から「桜」・・・。

 改めて「桜の人気」を考えてみました。

(1)咲く前から開花を待ち構える雰囲気がある。
(2)卒業、入学、入社など節目の季節に咲く。
(3)いろんなところで一斉に開花する 驚き♪
(4)花は木全体に咲き、ボリューム感 がある。
(5)花は葉っぱが出る前に咲き、花が目立つ 。
(6)うすピンク色(染井吉野)」は見ているだけでほのぼのとした気分になれる。
(7)すぐ散ってしまう儚さが日本人好み。
(8)「散るときにハラハラと風に乗る花びらが美しく、絵になることなどでしょうか。

 こういった要素が桜に揃っているからだと思います。


 この日(4/6)には町内の桜の名所・大杉ダム池公園で桜まつりが行われました。

 人々の歓談の声が聞こえ、俳句の歌詠みの催しも行われていました。

 春ですね〜♪


 春はウォークの時期です。

 この日も春の陽気につられて野を歩く光景が多くみられました。
 これからは「春、自然に親しむ季節」です。

 丹波市市島地域のこれからの主な行事は、●5月連休 九尺ふじまつり ●5・11 三ッ塚マラソン ●5・25 五大山まつり(登山) ●6・8 花しょうぶまつりなどです。


 この時期、野原や畑の畔、土手、道ばたなどの日当たりの良い場所につくしが一面に生えています。

 「つくし」の名の 由来は、「澪標(みおつくし)」(船が港へ入る通路を示した杭)の「つくし」で、突き立った杭のように見えることからとも、 「突く突くし(”突き伸びる”)が由来とも言われます。
 また、漢字の「土筆」は、土に刺した筆のような姿からこの漢字が充てられます。

 食用にもなり、ゆでて酢の物、佃煮、油炒め、卵とじ、和え物などでいただきます。

 このつくしは、やがてスギナとなっていきます。


 この時期、野や畑に「菜の花(なのはな)」を見かけます。

 こんな「おぼろ月夜」の唱歌が思い出されます。

 「♪菜の花畠(ばたけ)に、入り日薄見わたす山の端(は)、霞(かすみ)ふかし 春風そよふく、空を見れば夕月(ゆうづき)かかりて、におい淡(あわ)し」

 以前は菜の花といえば、「なたね」でしたが、今はなたねはほとんど見かけなくなり、今咲いている菜の花はダイコンの花です。
 ダイコンも足に例えると太いですが、花は可憐に咲くのです。


 たんぽぽは、キク科タンポポ属  の多年生植物です。
 そういえば、花びらはキクによく似ています。
 これからは土手や道端に咲き、春から夏にかけて最もポピュラーな植物です。
 種類も大きく分けると古来から日本に生育していた在来種と、近世に海外から持ち込まれた外来種があります。
 在来種は外来種に比べ、開花時期が春の短い期間に限られ、種の数も少ない。
 夏場でも見られるタンポポは概ね外来種の西洋タンポポです。


 近くの畑で麦が育っていました。

 晩秋に種をまき、一冬を越して6月に収穫を迎えます。

 収穫された麦は、農家の自家製の麺の粉や醤油、味噌の原料に加工されます。


 春作業が始まりました。

 あちらこちらでトラックターが見られ、動き回り、田が耕され、5月の田植えの準備が進んでいきます。


 町内の大杉ダム池には、釣り池として遠くからの釣り人が訪れますが、これから始まる稲作の大切な水源なのです。

 毎年桜まつりはこのダム池の麓で行われ、桜の一大名所でもあるのです。


 ムラもこの時期から田の準備に忙しくなります。
 この日は、水路の掃除をして、水がスムーズに流れるようにしました。
 水路は縦横に通っていて、起伏のあるムラの全ての田に行き渡るようになっているのです。

 このように水しぶきをあげて流れる奥丹波の清流が田植えに必要な水源なのです。


 ムラのアトリエを訪れました。
 このHPの「季節の写真館No.3」の「ムラの芸術家のアトリエを訪問」で取り上げましたが、仏版画家の観瀾斎(かんらんさい)さんと書家・栗原周玉さんのアトリエ曼陀羅窟です。

 これまで、ムラで制作された作品が、高野山や世界文化遺産・京都東寺にて展示されてきました。


 そして絵本となった「観瀾斎の千の風に」が出来上がりました。

 この本の「はじめに」の部分にふれてみます。

 幸せの千の風が、私の身体の中を吹き抜けた。
 春、雪解けて、新芽が声を出し、野に、いっぱいの花が咲き笑う。
 夏、蛍が舞い、満天の星空に酔いしれる。
 秋、色鮮やかにと競う山々。
 冬、一面の雪化粧、キラキラ光る白銀の世界。
 朝、小鳥の囀りに目覚め、夜、野ウサギや鹿たちの出迎えもある。

 私の田舎暮らしでの光景と、「千の風」詩の光景が重なり合い、驚きを隠しきれません・・・と。

 歌詞「千の風になって」が日本語と英語で一つひとつの文字が彫られ、曼陀羅画で情景が描かれています。
 今、紛争で苦しむイスラムや広く世界の人々に心に共感を得て、読まれて来ているとのことです。
 「この絵本を見て、世界中の人々が少しでも悲しみから癒されるのであればとの願いを込めて彫らせていただきました。」
 とあります。

 奥丹波の小さなムラから広く世界へ、新たな感動を得ました。

 この本をご希望の方には、取次ぎをさせていただきます 価格2,100円(税込み)

 「観瀾斎の千の風に」HP


 −あとがき−

 丹波市の本年度の市政方針で住んでみたいまちづくりとして、1500年以上前の中国の散文「桃花源記」の描かれている「桃源郷」にふれ、その様子を「桃の花が咲き匂う谷川の奥に発見された平和な農村集落で、肥沃な田畑や美しい川、犬や鶏の鳴き声がのどかに聞こえ、村人は楽しげに働き、とりわけ子どもや老人の表情が明るい・・・」と描かれているとあります。

 「便利さに溢れた生活を追い、それを幸せの基準とするのではなく、本当の幸せとは、現代人が忘れてきたもの、失ったものに気付かされることも大事なのでは」と、「観瀾斎の千の風に」の絵本に触れ感じました。

 ごく当たり前で、自然の中に本来求めるべき真実があるようです。

丹波市市島町鴨庄 より
(2008.4.7)


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