季節の写真館 Vol,86
2004年12月29日

一年の締めくくりを「かものしょう百人一酒」の乾杯で!

 丹波にはいろいろな名産・名物があります。
 その一つが丹波特有の「霧」です。
 晩秋からこの時期、一面に霧のベールに包まれる日がたびたびあります。

 霧を山頂から眺めて見ました。
 「雲海」の眺望です。
 雲海の上に連なる山の峰々、この自然の美しさは丹波ならではの光景です。

 「焚き火」はこの時期の風物詩です。
 年末のこの時期、ムラの人たちがお寺に集まり、境内を掃き清めます。
 落ち葉や木々を燃やす火は、お寺の境内の清掃というより、今年一年の清めの焚き火のように感じられました。

 農家の庭先ではワラ打ちをしている年配の方の姿がありました。
 秋に刈り取られた稲ワラを叩(たた)いて柔らかくし、お正月のしめ縄や飾り物を作られるのです。

 こうした作業ができる方は少なくなりましたが、毎年この時期に繰り返し行われてきた貴重な技なのです。

 町内では、今年も年間の中で、様々な祭りや催しが行われてきました。
 そして、今年のまつりもフィナーレです。

 「年末ふれあいまつり」と銘打った前山農園の祭りにも、ふれあいを求めて大勢の方が来られました。

 今年、鴨庄地区で新たに試みた取り組みが大きく実を結びました。

 お米の生産者なら誰でも「自分のお酒を作りたい」という思いがあります。
 鴨庄の100人が自分の作った「コシヒカリ」を少しずつ持ち寄り、100人のお米から一つのお酒を作ろうという取り組みで、お酒の名前もずばり「百人一酒」です。

 仕込みの酒蔵も地元鴨庄の「鴨庄酒造」で、お米も地元産なら、ラベルも手づくりのオリジナルです。

 この日はみんなが待ちに待った搾り上がり日で、酒蔵に集まり、みんなでラベルを貼り、一つの酒に仕上がりました。
 瓶の後にはこの酒に関わった100人の名前の入れたラベルも貼りました。

 ちょうどこの日、同じ町内の「山名酒造」の酒蔵」からは、「奥丹波」を全国に向けて慌ただしく出荷される作業風景がありました。

 2本のお酒をご覧下さい。
 まず、「百人一酒」です。
 大変見栄えのよい酒になりました。
 酒米ではなく、コシヒカリで仕込まれたお酒は大変珍しいのです。

 もう一つのお酒が農園でかかわっている純米吟醸酒「奥丹波」です。

 どちらのお酒も、年末には今年一年を振り返り、また来たる新年を祝う「祝酒」なのです。

 この瞬間が味わいたくてみんなが頑張ったのかも知れません。
 コシヒカリのお酒ということで出来上がりが気がかりでした。
 しかし、大変味のよいお酒に仕上がりました。

 このお酒に関わったみんなの祝宴です。
 「美味しい酒に仕上がったなぁ〜」
 「自分の酒ができて嬉しい。正月はこれで乾杯や」等などの声・・・・。

 今年は本当にいろいろなことがあった年でしたが、この場のみんなの顔は晴々でした。

 

 農園での今年の締めくくりは「杵つき餅」づくりです。
 機械でこねる餅が一般化しましたが、ペッタン、ペッタン杵で突き上げました。
 でき上がったお餅を丸めるのも手作業です。

 お酒と同じように、お餅も自分が作ったお米がこのようにお餅になって袋詰め出来ると嬉しいし、春に田植えした苗がこのように実を結ぶと感慨深いものがあります。

 この時期の野は色彩の乏しいですが、庭先のミカンや南天が鮮やかです。
 お正月には神棚にミカンやダイダイを供ええますが、代々の栄えを願ったり、南天は「難を転ず」の思いがあったりします。

 難の多かった年が去って、来年はどうぞよい年になりますよう祈念いたします。

丹波市市島町鴨庄地区 にて
(2004.12.29)


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