季節の写真館 Vol,115
2008年3月16日

陽春に包まれてー梅花が満開を迎えました

 3月も中旬に入り、奥丹波のムラも陽春(陽気の満ちた春)に包まれる今日この頃となりました。

 今冬は寒い冬だっただけに、春が待ち遠しく、春の光が眩しく感じられます。

 昨秋、この同じ場所から晩秋の山が紅葉した風情をお届けしましたが、季節も大きく移動し、春の気配が漂います。 
 これから日ごと桜の季節、若葉の季節へと春本番の季節に向かっていくのです。


 春といえば花、花といえば桜が一般的ですが、桜とともに春を代表する花である梅を取り上げておきたいと思います。

 毎年2月下旬の「福祉梅林の集い」の頃が梅が膨らみ始める季節です。

 今年も福祉梅林の集いには、障害者やそれを支えるボランティアの大きな花が会場に咲きました。


 それから季節が移動し、、ここ、丹波市市島町の三ッ塚史跡公園の福祉梅林は今、梅が満開です(3月16日現在)。

 紅梅、白梅の花が見事に開花しました。
 梅はバラ科サクラ属の植物であり、よく見ると桜にも、バラにも似た気品さが感じられます。

 花の観賞のほか、果実を梅干しや梅酒にすると、クエン酸をはじめとする有機酸などを多く含み、健康食品として人気が高いのです。ここの梅もそうした加工がされるのです。


 これまでHPでは、「春の七草」、「節分草」など春の草花を野に探してきましたが、今、この時期に野で見られるのが「フキノトウ」です。

 春一番早くでてくる山菜で、土の中から顔を出すおなじみの山菜です。

  フキノトウはフキの花茎で、食用として好まれます。

 新鮮な苦みと酸味が、ほどよい味のハーモニーをつくります。


 ヨモギも地面を覆うようになりました。

 ヨモギは キク科 の植物で、葉が菊の葉によく似ています。

 今は、漢方の原料として重宝されることが多いのですが、小さい頃、春になると近くへヨモギ取りに行き、草餅、草だんごで食べた味が懐かしく思い出されます。


 この時期の農園の様子です。

 水稲はもう少し先のことですが、ぶどうの作業があります。 

 化学肥料を用いず、この時期堆肥として散布するのが「油カス」です。

 菜の花の種から油を採った菜種粕(なたねかす)が原料です。

 これでぶどう園には、家畜堆肥と油かすを散布しました。


 また、ぶどうの古くなった表皮を剥がすのもこの時期の作業です。


 市島町内の農園を訪ねてみました。

 「農園奥丹波」を主宰されている青木千代江さんの農園で、今、イチゴが収穫のピークを迎えていました。


 そして、青木さんの「農」への思いとして、永年の夢であった農産加工場が出来上がりつつあります。

 この加工場は、9月にオープンするそうで、地元の農産物の直売や、加工は手始めにおはぎを作られるそうです。

 農業の自由なところは前向きに考えれば夢(想い)が広がるということではないでしょうか。

 丹波いちじまふぁーむの農園も、お米やぶどうといった農産物があり、お酒などへの関わりがあり、食する場があり、将来的には滞在の場がありと言った思いで取り組んでいます。

 そして、多くの方に「農」や「丹波」に目を向けてほしいと思っています。


 わが家のいわば「箱庭農園」です。

 年中を通じて自家野菜の栽培の場なのです。

 春にはキャベツ、ほうれん草・・・、夏にはジャガイモ、玉ねぎ、キュウリ、トマト・・・、秋には黒大豆、ネギ・・・、冬には白菜、大根・・・と多種多彩です。

 この農園の番人は85歳のおばあさんです。


 今、農産物の安全性が大きく問題となっており、大変大きな関心となっています。

 外国から入ってくる農産物の安全性は前から懸念されてきたことですが、現実の残留農薬問題で改めてクローズアップされました。

 この際、にわかに国産農産物で賄うと言っても、日本の農産物自給率が4割以下という現実の前にどうしようもないのです。

 そんなニッポンの食事情は、他の国もとっくにお見通しです。

 かっては、農家であれば一年を通じて自分の農地での農産物自給は、ごく当たり前のことでしたが、今の風潮は「面倒だ」、「儲からない」、「安ければどこからでも仕入れたほうがいい」などという風潮です。

 このたびの「残留農薬」に端を発した食べ物の安全性問題は将来への大きな警鐘ではないでしょうか。

 そんな意味で今一度、「箱庭農園」をご覧下さい!

丹波市市島町鴨庄地区 にて
(2008.3.16)


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