季節の写真館 Vol,114
2008年2月5日

節分、立春を過ぎて!節分草の咲く季節に
折杉神社の粥占いで今年の豊作を願い

 今冬は、昨年の暖冬から一転して寒い冬が続いています。
 しかし、2月に入り、3日は節分、翌4日は立春で、暦の上では春を迎えました。
 この時期の草花を野に探したのが「節分草」です。
 まだ、この時期から咲き始める花で、あちらこちらで見られるということではありませんが、丹波市内青垣の「江古花園」で少し咲き始めた花を見つけました。

 節分草は、春の訪れを知らせてくれる季節感溢れる植物です。
 都会や家の中にいると気がつきにくい季節の変化を、こうした植物の知らせによって感じると言うのは、とても情緒があることではないでしょうか。
 植物の癒しの効果というのは、こうした気づきをもたらしてくれるというところにあるのかも知れません。


 2月3日は節分の日。
 文字通り冬と春の境となる日です。

 この日、市内市島町の前山保育園の園児が寒さにも負けず、「鬼は外! 福は内!」と元気よく「豆まき」をしました。

 節分に豆をまく行事は、「追儺(ついな=難事を追っ払うこと)」と呼び、中国から伝わった風習だそうです。
 追儺の行事は、俗に、「鬼やらい」、「厄払い」、「厄おとし」、「厄神送り」と呼ばれ、疫病などをもたらす悪い鬼を追う払う儀式で、今から1300年前の宮中の儀式にさかのぼるとのことです。

 節分には鰯(いわし)の頭を、柊(ひいらぎ)の小枝に刺して戸口に挿す習慣もところによってはあり、これも魔除けであったり、節分に巻き寿司を食べる習慣は、福を巻き込むという意味と、縁を切らないという意味から包丁で切らず、丸かぶりするようになったということです。


 近年、雪の量はめっきり少なくなり、昨年は暖冬、今年は寒いですが、まとまった雪は少ないです。

 2月に入り、初めて少しまとまった雪が降りました。
 早速外へ出て、スノーボード遊び、雪だるま作りなど自然の遊びができました。
 子供たちの元気な様子をご覧下さい。


 2月3日は恒例の前山・折杉大明神神社の「粥(かゆ)占い」の神事が行われました。

 ここの「粥占い」は、古くから伝わる儀式で、 神式では欠かせない三宝の上に「粥占い」に使用するお米と塩、 「お天気占い」に使用する木片のコマ 、またお米やお酒、鯛や.白菜といったお供えが行われます。


 「管試(くだだめ)」などとも呼ばれる伝統行事で、鍋の中には粥と竹筒が煮込まれます。


 鍋の中で煮られたお粥が竹筒に入る量で、米や大豆、くりなど13の作物の豊凶が占われます。

 鍋から竹筒を引き上げる際には、粥がこぼれないよう細心の注意が払われます。
 何しろ、今年の作物の出来具合がかかっているのです。

 竹を割っていく手つきも神妙で、竹の中からはそれぞれの作物の出来を占うお粥が入っていました。
 今年はお米、麦、野菜が豊作ということです。


 サイコロ状の木片12個を火にくべ、焦げた面積から各月の天候が予想されます。

 今年の天候は、年の後半に雨が多いという予想です。


 今、丹波市の山々を結ぶ「分水界の径(みち)」トレッキングマップの作成が進められています。

 題して、「雲海の径」、「五台の径」です。
 丹波市には、本州一低い中央分水界「水別れ(みわかれ)」があり、そこから東に篠山市との境に沿って栗柄(くりから)峠に至る26Km(雲海の径)と北へ京都府福知山市との境に沿って穴の裏(あなのうら)峠へ至る19Km(五台の径)という極めて人里近いところを「里山中央分水界」とも言うべき学術的にも重要な中央分水界が通り、水は加古川水系(瀬戸内海)と由良川水系(日本海)に分かれて流れます。

 また、その中央分水界に連なる山々は、花や紅葉、雲海などの恵まれた自然と、古代からの修験道や交通路、戦国絵巻といった数々の薫り高いロマンに彩られています。

 それぞれの地域で、地元の人々が大切に守ってきた登山道や峠道、歴史遺産や祭りなどに込められた思いが、一本の「丹波市中央分水界の径」(雲海の径・五台の径)として繋がりました。

 これから季節は春に向かい、こういった自然にふれるのに絶好の季節を迎えます。


 農園の様子ですが、ぶどうの剪定の最中で、伸び放題の枝も短くなりました。

 じっと春を待つ今の状況です。


 ■■ 所感 ■■

 今回は、折杉大明神神社の「粥(かゆ)占い」の神事を取り上げました。

 竹筒に入るお粥の量やサイコロ状の木片を火にくべ、焦げた面積から各月の天候が予想するという、何とも非科学的で、古い神事ですが、反面、大らかさを感じます。

 当たっても当たらなくても至って和やかなうちにそれぞれの人の心に「今年一年が穏やかであるように」と祈られるのです。

 日本の文化は農耕文化で、生活のあらゆるところで農業と深い関わりを持ってきました。
 一年の天候を願い、豊作を願って実に様々な催事が営まれ、また、感謝の気持ちで祭りが行われました。
 代々の人々の願いを営々と今に繋ぐ無形文化。
 ともすれば、便利さ、科学的なものに傾注する現代社会の中で、埋没した心の拠りどころをムラの小さな催事に見たようでした。

丹波市市島町鴨庄地区 にて
(2008.2.5)


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