季節の写真館 Vol,89
2005年5月5日

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)
5月の薫風(かぜ)が心地よい季節を迎えて

 五月(さつき)晴れの空に薫風をふくんで鯉が舞います。

 奥丹波は野山は新緑、水田には稲の苗が植わり、緑に溢れた季節を迎えました。

 この季節は花の季節でもあります。
 百花繚乱のごとくそれぞれの草花が咲き乱れます。
 今の時期、白毫寺(びゃくごうじ)の九尺ふじが見頃を迎えました。

 白毫寺は「花の寺」として近隣にその名を知られていますが、中でも九尺ふじは有名で、毎年多くの人が訪れます。
 5月5日に「九尺ふじまつり」がありました。
 薄紫色の花をつけたふじがご覧のように下へ大きく垂れ下がることからこの名がついています。
 ふじの花は5月半ばまで見られます。

 白毫寺境内の九輪草(くりんそう)も可憐な花を咲かせ、訪れる人の目を楽しませてくれます。
 九輪草は寺の塔の九輪の装飾に似ていることからこのがある仏花ですが、絶滅が最も危惧されるランクの花でもあり、それゆえに人の心を引きつけるのでしょうか。

 九尺ふじも、九輪草ももともとは、白豪寺に隣接する「近藤ふじ園」が手掛けられたもので、連絡すればいろいろな説明をしていただけ、また苗の販売もされています。
 (連絡先:近藤ふじ園 近藤賀代子さん tel: 0795-85-0380)

 

 農園の遠景にも春の穏かな風情が感じられます。

 

 農園の周囲では田植えの準備がすすんだり、連休を利用して田植えの風景がありました。
 毎年同じことの繰り返しですが、田植えが始まると、田が活き活きしてくるようです。

 昨年は都市の方と「稲作〜酒蔵体験」の催しを行い、多くの方に初めての田植えを体験していただきましたが、今年も5月22日に田植えイベントを行います。
 この催しは、大阪の「関西よつ葉連絡会」が主催されていますが、田植えに限らず四季の農園にお越し下さい。
 ぶどうの作業など手伝っていただければありがたいです。

 農園の中の四季彩もご覧下さい。

 ピンクのツツジや真っ赤なサツキが鮮やかに咲き、また、その対照の白いシャカも鮮やかです。

 普段何気なく見ている野花にもそれぞれ個性が感じられます。

 この時期、草木が芽吹き、ぐんぐん成長していきますが、草の成長が極めて旺盛です。

 農園の草刈りが大変ですが、大切な作業でもあるのです。

 刈り取った草は好天の下では一日で干草になります。

 その草をぶどうの木の元も敷き詰めます。

 いつもぶどうの管理で述べています「草マルチ」です。

 土壌の過乾燥を防ぎ、草を抑え、微生物を育み、やがて腐植して肥料ともなるのです。

 今の時期ぶどうも極めて成長が旺盛です。
 つい何日か前に芽を出したのが早こんなに成長しました。
 房も形ができています。

 昨年は、ぶどうの専門技術者から「農薬も、化学肥料も、除草剤も使わない栽培というのは他に例がない」と褒めていただいたり、多くの方からお問い合わせや味の好評をいただき、大変励みになりました。

 お盆頃には実りますので、味わって下さい。
 販売代金は里山づくりなどにも充てたいと思います。

 今年も農繁期の合間には、農園を活用していろいろな交流をしていきたいと思います。
 6月5日には「農園 赤レンガハウスチャリティ・ジャズライブ」を予定しています。

 地元丹波出身で活躍されている戸倉洋子さん(Vocal)などを迎え、ライブ+飲茶の楽しいひとときを過ごしたいと思います。
 市島町で介護活動を手掛ける「いちじまライフネット」の企画への協賛ですが、収益金の一部は、鴨生の「福祉ふれあいバス」運営経費に充てられる計画で、地域で支える地域活動でもあるのです。

日時:平成17年6月5日(日) 午後5時開演 午後8時30分閉演予定
場所:丹波市市島町北奥 丹波いちじまふぁーむ 赤レンガハウス
料金:ライブ+飲茶・飲み物付 1,500円
お問い合わせは いちじまライフネット tel:0795-80-3800

 毎年、5月には田植えをし、その後は生育を管理し、9月、10月には刈り取り・収穫し、田を耕し、春に備えることの繰り返しです。
 水を貯めることで同一作物の連作を可能にし、水田を維持することができます。

 ところで、人が創ったものは全て時の経過とともに朽ちていき、破綻、崩壊します。
 今の借金まみれの国だって安泰ではあり得ません。
 人が為すとどうしても「偽」となりがちな中で、日本で唯一、2000年〜3000年にわたり、人が創ったシステムで今日まで維持してきているのは、この水田の機能だけなのです。

 現在は、お米を作ってもコストに合わないことや、生産者の平均年齢が70歳という高齢化や後継者不在で、水田を維持、管理することすら危ぶまれ、実際耕作放棄田も多く出てきました。
 農家の人でも「お米を自分で作るなら、買ったほうが楽だし、安い」という声もよく聞きます。
 確かにお金に換算すれば割に合わないことが多いです。

 でも、誰が何とかしてくれるのでしょうか?。
 担い手がいないなど何ともできないほどの危機に農業も直面しています。
 唯一の水田機能が崩壊する時は・・・。

 食という問題に関しては、生産者も消費者も垣根はありませんし、消費者にも農業は身近な問題だと思うのです。
 田植えなどの農業体験に来ていただく方があるというのも大きな支えになるのです。

丹波市市島町鴨庄地区 にて
(2005.5.5)


季節の写真館 の バックナンバー は ここをクリック!!


自然の中での安らぎ<<HOLIDAY IN NATURE>>と食」の安全性を現場で実践する・・・・
農事組合法人 丹波いちじまふぁーむ
〒669-4312 兵庫県丹波市市島町北奥160
TEL:0795−85−0448 FAX:0795−85−0876
e-mail:info@okutanba.jp