季節の写真館 Vol,79
2004年5月1日

風薫る季節、白毫寺に「幸せの花」を求めました。

 季節は5月になりました。
 この時期の春めいた暖かい風も、まだ肌にヒヤリとした風もともに爽やかな薫風です。
 水田には水が張られ、田植えの準備がすすみ、野山の新緑が映える季節です。

 この日、農園に大阪から一家族の来園があり、市島町が最もよく見える山頂にご案内しました。
 山頂からの見える四方の山々、下に開ける田園の町並み、田植えに向けて準備がすすむ田園風景、こうした景色は、眺めていて自然に癒されるというかやはり、落ち着きます。
 町全体が自然に抱かれ、新緑の中にあるようです。

 大阪のKさん一家の来園は、一度、農園を見てみたいという思いや、ご自宅で飼われている一羽の鶏の餌をいただいている養鶏家を訪ねることでした。

 市島町には2万2千羽余の採卵鶏が飼われていますが、近くの京都府で発生した鶏インフルエンザで大きな影響を被りました。

 鶏も卵も何の汚染もないのに出荷できない養鶏家にとってやるかたない措置でした。

 でも、今は以前の状態に戻るよう懸命に頑張っておられます。

 この日は、生産者から励ましのお礼にとご自慢のブランドの卵をいただきました。

 さて、今日は町内にある、「花の寺」として近隣にも名の通った白毫寺(びゃくごうじ)に幸せの花を求めて訪ねてみました。

 白毫の光を花にかざし寺ー 白毫寺境内では、四季折々に見事な花が咲き誇ります。
 春の花、桜が散ると九尺藤が辺り一面を紫色に染めます。
 つつじ、セッコク、そして夏を前に白蓮(びゃくれん)、紅連が咲き誇り、真っ赤な紅すいれんも花開きます。
 秋のもみじもまた目に染みる赤さです。

 今の時期、紫色に咲き誇るのが「九尺藤」(きゅうしゃくふじ)です。
 白毫寺境内と、このお寺に藤を持ち込まれた隣接の近藤家の藤がこの連休に見頃を迎えます。

 花言葉は「夫婦円満」、「永いお付き合い」、「歓迎」です。
 開花時期は、4月下旬から5月中旬まで。

 5月3〜5日は「白毫寺・九尺藤まつり」が開催されます。

 「幸せが重なる」という花言葉の「九輪草(くりんそう)」の可憐な花が咲かけてきました。
 寺の塔の九輪(相輪)に似ていることから名付けられたといわれています。
 九つの輪は仏教で五大如来と四大菩薩を表わしています。
 県では絶滅危惧種Aランクで、要保護のサクラソウ科の山野草です。

 開花は5月〜6月下旬です。

 お寺の境内にあるこの大木も、この鉢植えの苗も同じ植物です。
 「無患子(むくろじ)」という木で、読んで字のごとく、「子が患わ無い」という意味で、お正月の羽子板(はごいた)で突く羽根についている黒くて堅い玉に使われ、羽子板が無病息災のお守りになった由来です。

 この木も絶滅危惧種です。 

 この時期、農園も色彩が鮮やかになるとともに、農作業も田植えを迎え、その準備に慌ただしい農繁期を迎えました。
 農園や周囲の田は今は水を田に引水し、トラクターで均していきます。
 水を張り、何日か後に水を落し、田植えが始まるのです。

 白毫寺の花から今度は、農園の色彩に目を移してください。
 農園の垣にしている「紅カナメ」の紅色が一段と色鮮やかになってきました。

 新緑の中の紅色が引き立ちます。

 農園のツツジが鮮やかに咲きました。

 5月中旬まで咲き、この後はさつきが花を咲かせます。

 巨峰の今の生育状況です。
 茎も葉もたくましく育っています。
 この時期、早くもぶどうの小さな房が作られています。
 これが大きく大きくなる過程が、大変な手間でもあり、楽しみな時期でもあるのです。

 ジャガイモは地上には出ませんが、この時期地中で大きく育っています。これも楽しみです。

 ストレスの多い日頃の生活の中で、山頂から雄大な山々を見たり、下を見下ろしていると、日頃のモヤモヤが些細なことのように感じられます。
 草花にもいろいろな謂れがあり、こんなことを感じながらながめて見るとホッとした気持ちにさせてくれます。

 今回、白毫寺で花の説明を受けながらこんな思いを新たにした次第です。

丹波市市島町 にて
(2004.5.1)


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