季節の写真館 Vol,70
2003年8月下旬

ひと夏が過ぎて
−いろいろな出会いがありました−

 丹波・市島町鴨庄地区の「カカシ祭り」も済み、夏も過ぎていきます。
 期間中はお盆の帰省客や町内外から多くの方が来られ、それぞれの作品に見入ったり、カメラに収める光景がありました。

 今年の最優秀作品は、地元の保育園で作られた「ひょっこりひょうたん島」でした。
 希望を求めて、波をチャプチャプかき分け、広い地球の水平線を巡っているうちに、鴨庄のカカシ祭りの会場ににたどり着いたようです。
 「トラヒゲ」、「ハカセ」、「ドンガバチョ」といった懐かしいキャラクターと何十年ぶりに出会いました。

 カカシの写真コンクールの「フォト大賞」、「優秀賞」も決まりました。
 作品の中には人物も登場して、カカシとの一体感がありました。

 大賞の作品の「竹馬」でした。
 でも、現代っ子はほとんど知らないでしょうね。
 竹馬で遊んだ頃の郷愁がよみがえりました。

 「ひょっこりひょうたん島」の作品とたわむれる子供たちの表情が実に楽しそうです。
 「タマちゃん」も近くで見ると、実に愛嬌がありました。

 田舎の道端には昔からお地蔵さんがよくありました。
 今のように車でさっと通り過ぎるのではなく、歩いて往来する人たちの道中の安全を優しく見守っていたのでしょうね。

 柔和な表情のお地蔵さんのカカシに、おばあちゃんがそっと手を合わせている瞬間の捉え方が見事です。
 このおばあちゃんも地蔵さんに魅入られ、ごく自然に手を合わせられたのでしょう。

 そっと手を合わせる姿は、お盆の時期のムラの催事にもありました。
 ムラの山中には、「不動明神」という神様が祭られています。
 山中の岩に神様が彫られ、毎年お盆の時期にムラの当番がお供えをするのです。
 ムラにいても、ほとんど知られていないのですが、山の安全、里の豊作を祈り、感謝の気持ちを細々ながら何百年と受け継がれてきたのだと思います。

 「不動はん、不動さん」といった愛称で呼ばれていますが、何もかもが激しく揺れ動く世相の中で、ずっと引き継いできた不動の信仰心の一端を感じました。

 人々の潜在意識の中では、代々こういった気持ちを引き継いでいるのかも知れません。

 ムラの神池寺(じんちじ)も由緒あるお寺で、町の観光名所のひとつです。
 毎年8月26日には「二十六夜祭」の催事が行われます。
 採燈護摩法要(さいとうごまほうよう)や火渡り行事が行われますが、無病息災、家内安全といった願いを込めて、数百年と続いているのです。

 このお寺の境内では、これから9月にかけて「水葵」の季節になります。秋はもみじです。どうぞお越し下さい。 

 農園に目を向けてみたいと思います。
 この時期、いろいろな方が農園にお越しいただきました。
 中でも、毎年来ている保育園の園児は元気いっぱいです。

 「先生このぶどう甘〜い」と子供たちの元気な姿や快活な声が響き渡っていましたが、不順な天候ながら、ぶどうは甘くなりました。

 農園はそれぞれの立場の方に「農」にふれていただく場であります。
 それぞれの方といろいろな話ができる場でありたいと思っています。
 この夏も、県や町、地元の方、農業をやっている方、商売をやっておられる方などがそれぞれの思いで農園に来ていただきました。
 今年は、8月26日から4日間、県立芦屋高校、柏原高校の先生の農業研修を受け入れました。
 異分野の仕事を通じていろいろな社会勉強をするということが目的でした。
 ぶどう園に敷き草を入れたり、町の堆肥施設を見たり・・・みんな初めてされた体験でした。
 生徒に対して「偏差値」、「進学率」、「よい大学」といった基準だけでは、これから先、不透明な時代を生き抜いていくことが難しいことはわかっておられるのです。
 「農」活動を通じて、先生も私もいろいろと考えることの多かった4日間でした。

 農園の作物の状況をご覧下さい。
 今年は、天候不順の中で、ぶどうの味を大変心配しましたが、甘い味のぶどうに仕上がりました。
 今年もぶどうをお届けした方から、多くのメッセージ、お礼状をいただきました。
 「百万ドルのダイヤ」。「こだわりのぶどうありがとう」。絵手紙に書かれた端的な言葉に気持ちが伝わってきます。

 遠く山形県からも嬉しいメッセージいただきました。
 「貴重なこだわりのぶどうを知ることができて、大変ありがたいと思っています。化学物質過敏症の子供に安心して食べさせてやりたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。」

 8月の巨峰は終了しましたが、9月の「ピオーネ」をぜひ味わってみて下さい。

 今、稲、クリ、丹波黒大豆といった農園の農作物が秋の収穫のときを待っています。
 特に、気になるのがお米のでき具合です。
 今年は全国的な長雨、日照不足、低温の影響で、大きく収量は落ち込む予想が出されています。

 平年作を指数100として、指数90以下の「著しい不作」のところもあるようです。
 ところで、指数が1ポイント下がると10万トンの減少です。
 兵庫県は北は日本海から南は淡路までを含む大きな県で、お米の生産量は20万トン台です。全国の作況が2〜3ポイント下がるとこうした数量の匹敵するのですから、大変な減収です。

 丹波のお米はこんなには落ち込まないと思いますが、刈り取りの遅れとともに大変気になるところです。

 いずれにしても、「豊かな丹波の秋」が待たれます。 

 農園には年間を通じて、地元の食材を使った農産加工をしていこうという4人の女性グループができました。
 その手始めは「巨峰ジャム」です。
 ぶどうの栽培過程でも安全にこだわりましたが、ジャムにする過程でも、材料は巨峰と砂糖、レモン以外にはな〜にも加えていません。
 市販では、こういった純の「巨峰ジャム」は出てこないと思います。
 ジャムのほか、ヨーグルトに入れても美味しいです。ちょっとした贈答にもいいですョ。
 これも、今の農園からのおススメです。

 一個400円(税込)。10個以上まとまると送料を半額負担します。
 グループなどでまとめてどうぞ! 賞味期限は製造日より1年です。

丹波市市島町鴨庄地区 にて
(2003.8.下旬 撮影)


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