季節の写真館 Vol,60
2003年1月13日

この一年がよい年でありますように

 新春の空に向かって一斉に放される色とりどりの消防の放水、そしてそこにたつ虹が新しい年を祝うかのようです。

 「この一年がよい年でありますように」という願いを込めた新しい年がスタートしました。

 今日は、新年を祝う町の行事がありました。

 舞台の緞帳(どんちょう)は、丹波:市島町の風物詩である霧、雲海をあしらったデザインが描かれていますが、この緞帳が上がるとそこにはほんわり温かいステージがありました。

 このステージは、善行者表彰の場で、すぐれた善意の行為に対して町長から表彰が行われました。

 この中の一人のご婦人の善行を紹介しておきたいと思います。

 年金をコツコツ貯めて、毎年町の善意銀行に10年にわたって寄附をされてきました。

 実はこのオバちゃん(通常の呼び方です)、農園とも深く関わっていただいており、ムラではお米や黒大豆を生産されたり、野菜の栽培のご指導をいただいたり、時には、農園に「おふくろの味」を届けてくれている方なのです。

 今年もこの時期、ムラの人たちが小さな小さな祠(ほこら)に祭られた山の神に手を合わせます。

 本来、この催事は治山治水への願い、山の豊作、里の豊作を祈願したものだと思います。

 かっては山は生活の場でした。
 薪をとり、いろいろな山の産物があり、豊かな自然の宝庫でした。
 その頃は山に神が宿り、人も動物も山で共生していたのです。

 「マタギ」という言葉をご存知ですか。
 東北地方の山間に居住する古い伝統を持った狩人をいい、山で暮らしを立てている人です。
 丹波では耳慣れない言葉ですが、このマタギが市島町に来るのです。

 山神様の贈り物というミュージカルですが、人も動物もお互い生きているものどうしの生きざま、豊かな山の恵みが舞台を通じて実感できると思います。

 農園に目を向けたいと思います。
 全国農業新聞という専門誌の新年号で、私の「農」構想の思いが紹介されました。

 農業を生産活動だけでなく、加工、味わい、マーケティング面など幅広く捉えた活動をしたいという思いや、いろいろな交流活動を進めたいとかいった思いです。

 農園は土地の農産物の味わいの場、語らいの場、交流の場です。

 農業の場であり、飲食の場でもあります。
 新年早々の同窓会で、「この場所、本当にくつろいだ気持ちになれる。」とみんな日頃のストレスを忘れ話が弾みました。

 こんなくつろぎの場にしたいものです。

 パソコンの前に本を「積んどく」のが私の生活スタイルで〜す。

 本の中に心に留まる一文がありました。

 学ぶ心さえあれば、万物すべてこれわが師である。
 語らぬ石、流れる雲、つまりはこの広い宇宙、
 この人間の長い歴史、
 どんなに小さいことにでも、
 どんなに古いことにでも、
 宇宙の摂理、自然の理法がひそかに脈づいているのである。

 そしてまた、人間の尊い知恵と体験が
 にじんでいるのである。これらのすべてに学びたい。

 今年も、自然に向き合い、町やムラの古さにも向き合ったメッセージを発信したいと思います。
 ご支援よろしくお願いいたします。

丹波市市島町 にて
(2003.1.上旬 撮影)


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