季節の写真館 Vol,58
2002年11月24日

ムラの文化祭で人それぞれの芸術・才にふれて

 秋の訪れを感じる代表的な野の風景が柿の色づきなら、晩秋から初冬の訪れを感じるのも、寒風にさらされ、今にも落ちそうな色づいた柿の風景ではないでしょうか。

 朝夕めっきり冷え込む今日この頃、昼間のポカポカ陽気と妻子に誘われて何年かぶりに柿ぼぎ(取り)をしました。柿はこの時期道端にたわわになっていますが、あまり見向きもされなくなりました。

 でも、久しぶりに食べる柿の味は大変甘く、柿ぼぎに興じた幼い頃が思い出されました。

 今日はムラの文化祭の様子を覗いて見ました。

 この前は、この会場で敬老会が行われ、歌、踊り、大正琴、マジックなどのムラの芸達者ぶりに感心しましたが、今日は、ムラにはたくさんの芸術家がいることを改めて感じました。

 山に入ればどこにでもあるような木の根ッこや切り株がこんな置物やつい立になりました。
 山で見つけた木の根や切り株を丁寧に磨き、ニスを塗って仕上げられますが、創造すればどのようなものも立派な芸術品に変わります。
 山はまさに宝の山なのです。

 人にはそれぞれ秘められた才能があるようです。
 普段よく知っている方の作品ですが、こんな才能があるということを初めて知りました。
 素人の方で、初めて出展されたのですが、実に味のある表情のダルマや柔和な観音様に仕上がりました。
 ジワッとした温かさを感じました。

 箱の中の賑やかな声が聞こえてきそうです。

 イヌやネコ、ネズミ、パンダ、クマ、ウサギその他いろいろな動物たちがいました。

 「愉快な仲間たち」というタイトルでの出展でしたが、母の作品でした。

 集落の女性たち10数人の共同作品です。

 割り箸とつま楊枝だけで作られました。

 作られた方がそれこそ「愉快な仲間たち」で、作品に仕上げる過程が楽しかったようです。

 紺の布地は夜空のようです。

 フクロウが木に止まって休んでいます。

 弦はブドウでも、キウイでもカズラでも野にあるものです。

 紺の布地と弦、小間物がこんな作品に仕上がりました。

 今の農家の様子です。

 前号で小豆を取り上げましたが、農家の庭先の黒大豆もこんなに黒くなりました。

 天気の良い日に庭先でサヤごと干し、乾わいたところで軽く棒で叩くと中の黒大豆が出てきます。

 これから12月中ごろまでお正月用に出荷されるのが今年取れた新豆です。
 (10月頃から12月までに出回っているのは昨年の大豆です)

 農園のハウスの中のタマネギ苗の植え付け作業が進みます。

 いつ頃収穫して、農園で使ったり、どのように販売しようかといった話も出ます。

 いろいろな思いを巡らせた「脳」作業は楽しいのです。

 これから冬を越し、来春までタマネギの苗はゆっくりと成長します。 

 

 奥丹波のムラ発「文化祭」はいかがでしたか。

 ニッポン全体でみて、あらゆる分野で「中央」発の規格情報価値は急速に崩れているようです。

 「農」も「文化」もその土地独自のものが求められる時代のようです。

 身近なところにその素材があるように感じたムラの文化祭でした。 

丹波市市島町鴨庄 より
(2002.11.24 撮影)


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