季節の写真館 Vol,54
2002年9月上旬

秋がどんどん近づいてきます

 9月も中旬に入りました。
 残暑は続いているももの、陽射に秋を感じます。
 夏の農園の主役は「巨峰ぶどう」でしたが、農園での夏の日のふれあいの1ページです。

 この時期、毎年お馴染みになった保育園の園児の元気な声が聞こえました。
 「僕、昨年も来たヨ。ぶどう大好き!」と園児も実によく覚えていてくれます。

 また、今年は町婦人会の歩こう会のめざすゴールがこの農園で、町の中心から一時間余りかけて農園に大勢の訪問者がありました。
 同じ町内でも、初めて来ていただいた方がほとんどで、この日は、「安心へのこだわりの甘いぶどう」がキーワードでした。

 婦人会の方にぶどうジャムを作っていただきました。

 巨峰だけで作った純粋ジャムって市販されていないのでお値打ち品です。
 ぶどうを時間をかけてゆっくりゆっくり煮詰めてジャムに仕上げます。
 ぶどうの煮詰め方にもコツがあり、火加減や火を止めるタイミングがむずかしいのです。

 この日の出来は、煮詰め過ぎてアメになりました。

 この巨峰ジャムを心待ちにされている方も多く、改めて「農園の奥さんの手作りジャム」としてご案内したいと思います。

 農園のぶどうは、お盆の頃から収穫を始め、今はピオーネの収穫が始まりました。

 できれば、お届けは「HAND TO HAND(手から手へ)」の手渡しをしたいものです。
 地元でお求めいただいた方はもちろんですが、今年もお盆明けに阪神間の何人かの知人にも一日充てて、手渡しによるお届けをしました。

 「わざわざ遠くから届けていただきありがとう!感激しました。」の言葉をいただいたり、そこで交わす会話でコミュニケーションが広がります。

 東北から九州まで見知らぬ土地から、お会いしていない方が縁あってHPを覗いていただき、ぶどうをお申し込みいただき、「メチャ美味しかった」とか「こだわりのぶどう作り頑張って!」とか「ぶどうの味に感激しました」といったメッセージをたくさんいただきましたが、大きな励みになります。

 こういったメッセージって温かいですね。

 大部分の皆さんにとって、見知らぬ丹波:市島町、そして奥丹波の農園をどのように想像していただいたことでしょうか。

 丹波の稲刈りは8月末から始まり、今が最盛期です。
 今年は天候に恵まれ、収穫にも恵まれ、作業も順調に進みます。
 袋にザクザクと刈り取られた豊作が入ります。
 昔から豊作は、生産者にとっては願いであり、喜びです。

 でも、今のお米の置かれている状況は大変厳しく、複雑なのです。

 大部分の農家の稲刈りは、刈り取り機械を持っている刈り取り専門の方に委託せざるを得ず、刈り取りも出荷も販売もその他全てが人の手に委ねられます。
 農家の通帳には米販売代金が振り込まれ、それ以上の経費が引き落としされるというのが現状なのです。
 米価も低迷し、農家に収穫の喜びや稲作への希望が持てません。

 これから出回るお米も、パッケージの見栄えは大変よくても中身は多種多様で大変複雑です。
 さらに、来年からさらに転作が強化されようとしています。

 ニッポンの稲作は崩壊の瀬戸際にあるのです。ニッポンの危機です。

 少し固くなりましたので、話を戻します。
 コシヒカリは収穫を迎えましたが、圃場では「山田錦」の酒米が穂を出しました。
 豊かな実りが、風味豊かなお酒「奥丹波」の酒米として仕込まれます。
 刈り取りは10月5日頃で、刈り取りが終われば、その頃から丹波黒大豆の登場です。
 さらに、黒大豆と同じ時期、松茸のシーズンになります。よいところでしょう、丹波って!

 今年は、10月12日、13日に西宮球場周辺で、県民農林漁業祭が開かれ、市島町の農産物のPRと販売に出向きます。
 農園でムラの女性が育てた黒大豆も出展します。

 阪神間の皆さん、どうぞ、市島町のコーナーへ。

 まさに、丹波の味覚の秋間近です。祭が近づきます。

 祭りといえば、市島町の文化活動の拠点、「ライフピアいちじま」で「ふれあいの祭典・日本民謡フェスティバル」が開催されました。

 たびたび紹介いたしました鴨庄っ子による「鴨庄っ子ばやし」、「妙高太鼓」の太鼓が鳴り響き、「市島音頭」の輪が広がりました。

 威勢のよい鳴り物や掛け声、踊りでみんなが心をひとつに合わせるーそれが祭の本意なんだと思うのです。

丹波市市島町鴨庄 より
(2002.9.上旬 撮影)


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