季節の写真館 Vol,49
2002年6月23日

芸術や「農」へのそれぞれのサポーター。

 6月も末になり、天気もものすごく暑い日から、寒い日になったりと安定しない今日この頃です。
 カラカラ天気から、本来の梅雨模様の天候になってきました。

 梅雨空はうっとうしいですが、適度の雨は作物を育てます。

 「晴耕雨読」という言葉がありますが、雨の日は農作業から開放され、心にふれる何かに出会うのもいいですね。

 和歌山県高野山(こうやさん)の金剛峯寺(こんごうぶじ)です。
 今日は、ムラから出ておられる町長のお誘いをうけて、このお寺に8人で出かけました。空海が建立したことで有名なお寺です。

 このHPの「季節の写真館」でムラでアトリエを開いておられる芸術家を紹介しましたが、仏画の個展が開催されました。

 私たちは、いわばムラからの私的サポーターです。

 ムラで制作された仏画が50点余り並べられました。
 独自の仏の世界が高野山にも認められ、このたびの個展の開催になったそうです。

 どの作品からも木版の温もりと柔和な仏の表情が感じられました。

 仏板画家の観蘭斎(かんらんさい)氏を紹介した記事がありました。

 「この世に生を受け生かされて生きた半生。友情や愛情、人の恩、そして悲しみや苦しささえも糧に、すべてに感謝し内なる神仏の姿を版木に掘り込む。全精神を注ぎ、心のまま感じるままに描かれた仏は見る者を無我の境地へ引き込む」と。

 ムラはこんな画家の活動の場でもあるのです。

 「農」の現場に目を移します。
 市島町は「有機農業の町」として、生産者と消費者が結びついた活動が広がっています。

 ムラで有機農業に取り組む生産者の圃場に、神戸から5人の「援農」サポーターの姿がありました。
 有機農産物を求める都市の消費者が定期的に生産者の圃場を訪れ、その時々の作業を支援され、交流がはかられます。

 この日の収穫物はジャガイモ。
 大きいのやら、小さいのやら、形もいろいろありました。「こんなに大きいの見るの初めて!」という声も出ます。
 いろいろなサイズがあって当たり前の農産物も、店頭では出荷サイズに合わなければアウト。
 規格外扱いです。「売りやすい」、「並べやすい」、「見た目の形」、「箱に収まるサイズ」が出荷規格。
 でも、こんな規格で農産物を求めるより現地でのこうした交流がいいですね。

 

 ジャガイモの収穫のあとは、丹波いちじまふぁーむの農園にきていただきました。
 食事をし、巨峰園にも出向きました。

 巨峰がこんなに大きくなりました。
 こんなのがぶらり、ぶらりと下がっています。
 ジャガイモ同様、房の形はいろいろですが、中身の安全にこだわっています。
 店頭では並ばないはみ出しサイズです。

 今の作業は摘果。
 実が詰まり過ぎにならないよう適当に実を落としていきます。
 細かくて、大変な作業ですが、こだわりのぶどうに仕上がることを思えば楽しさもあります。

 皆さん、見に来たり、はさみを入れに来られませんか。(7月半ばには袋掛します)

 農園のジャガイモも収穫しました。
 ムラの3人の女性が初めて取り組んだ作物ですが、無農薬、無化学肥料で無事収穫にたどり着きました。

 みんなで小分けしてお届けしましたが、「ポテトサラダや煮ころがし、肉じゃがなどで美味しくいただきました」といういろいろなメッセージをいただきました。

 中には、「知らない土地なのに、故郷のような温かさを感じました」というようなホンワカメッセージもありました。

 それぞれの食卓で美味しく食べていただき、会話の中に「見知らぬ奥丹波」が出てくれば嬉しいものです。

 ハウスの扉の向こうは、次なる作物の植え付け作業が進んでいます。

 収穫祭のジャガイモを除いて、圃場を耕し、丹波黒大豆を播種しました。

 さあ、秋に向かって黒大豆スタートです。

丹波市市島町・和歌山県高野山 にて
(2002.6.23 撮影)


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