季節の写真館 Vol,39
2002年2月3日

無形民俗文化財「かゆ占い」を訪ねました

 2月に入り大寒の時期ですが、今年は暖かい日が続きます。
 3日は節分で、文字どおり冬と春の季節の分かれ目。
 そして4日は立春、暦の上でははや春の訪れです。
 今日は、町内の折杉神社の筒粥祭(つつがゆさい)という無形民俗文化財「かゆ占い」を見てみました。

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 神社の境内では、篝(かがり)火が焚かれます。
 天高く、火の勢いは不純なものすべてを焼き払うかのように舞い上がりました。
 篝火を移し、煮たぎった鍋からは粥の湯気が上がります。
 鍋の中には「今年」を占う竹筒も入れられています。

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 この占いは、13本の竹筒と12個のカシの木片のコマを使って、その年の農産物の豊凶や月々の天候を占うものです。

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 煮立てたお粥(おかゆ)の鍋の中から1本1本を取り出し並べられます。
 それぞれの竹筒は予め13種類の農産物が決められています。
 取り出した竹筒を2つに割ってコメの詰まり具合を調べます。
 詰まり具合により豊凶が判定されますが、結果は、大豆、小豆、柿、くりが豊作のようです。

 文献によると、昔はこの神事を拝もうと、遠近から数千人が参詣し、大阪・堂島の米相場にも関係したほどであったとの言い伝えもあるようです。

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 また、カシの木片で作られた12個のコマを炭火にのせ、それを取り出して並べ、その焦げ方で今年の月々の天候が占われます。

 よく燃えるほど「晴れ」の判定だとか。

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 おかゆはみんなに振る舞われましたが、塩加減がよく大変おいしい味でした。
 このおかゆをいただくと風邪をひかないとも言われます。

 昔からニッポンのお米づくりには、いろいろな思い入れがあります。
 「豊作でありますように」とか、「天候に恵まれますように」とか・・・。
 素直に豊作を願い、それを喜び、感謝する心が代々こういった祭事として引き継がれてきたのだと思います。
 「古い」と一蹴しないで、こういった無形民俗文化財は残したいものです。

 丹波いちじまふぁーむの農園近辺に目を転じます。

 この日、ぶどう園に隣接する農地でくり園づくりが始まりました。
 くりと言えば、丹波を代表する特産物の一つです。

 こういった農産物が豊かに実ることを思うとき、心も満ちるように感じます。

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丹波市市島町 にて
(2002.2.3 撮影)


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