季節の写真館 Vol,169
2014年2月14日

立春を過ぎ、寒さの中にも春の兆しが!

  2月に入り、3日は冬から春への「節分」、4日は「立春」で、暦の上ではもう春を迎えましたが、立春を過ぎた途端に全国的に大雪になったりで寒さの真っ只中です。

 今の時期、丹波市青垣町東芦田の江古花(えこはな)園で、市内で最も早く春を告げる「セツブンソウ」の開花が見られます。
 セツブンソウは「春告げ草」とも呼ばれる花です。
 写真をアップして撮れば、一定の大きさに見えますが、実際の開花の様子は、咲き初めの小さな小さな花びらです。

 このセツブンソウがなぜ人の心を惹くのか?
 この土地の人たちが防雪用のビニールの覆いをして大切に守っているのか?

 それは、大変寒いこの時期に咲く可憐なセツブンソウが一年で最初の花であり、そこに「春」の気配を感じ、春への希望をこの花に見ているからではないでしょうか?
 暦上でも、春と聞くだけで気持ちが開かれていくようです♪


 節分での、寒い時期の保育園の子どもたちの元気な様子です。

 豆まきの由来ですが、邪気を追い払うために、節分には古くから豆撒きの行事が執り行われてきました。
 豆は、「穀物には生命力と魔除けの呪力が備わっている」という信仰、または語呂合わせで「魔目(豆・まめ)」を鬼の目に投げつけて鬼を滅する「魔滅(まめ)」に通じ、鬼に豆をぶ...つけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがあるようです。

 また、豆を撒き、撒かれた豆を自分の年齢(数え年)の数だけ食べる。
 また、自分の年の数の1つ多く食べると、体が丈夫になり、風邪をひかないという習わしがあるところもあるようです。


 

 この時期、毎年、丹波市市島町前山(さきやま)地区内の折杉神社(おりすぎじんじゃ)で伝統の「粥(かゆ)占い」の催事が行われます。
 無形文化財として代々受け継がれてきている行事です。

 粥占いは、お米と作物に見立てた13本の竹筒を入れた鍋が火にかけられ、煮えたぎったお湯の中で、竹筒に詰まった米の量で今年の農産物の出来を占うものです。(写真:左)

 詰まったお米の量が多ければ、作柄は上々(豊作)、少なければ下々(不作)と判定されます。
 占いの結果は、米、大豆、小豆、野菜、ぶどうなど13種の作物で...ぶどうだけが不作で、あとは、上、または上々という結果でした。
 「ぶどうを栽培している私は大変です(笑)」

 作物の作況の占いと併せ、 赤く焼けた炭の上に12個の角切の木片が置かれ、その焦げ具合で今年1年の天候が占われ、今年は全般に天気の良い月が多いという判定でした。(写真:右)

 科学的な根拠はなくても、大変大らかで、自然に今年の天候を気づかい、農産物の無事を祈り、また、感謝につながる催事です。
 地元の小学4年生19人が見学に来ていましたが、こうした伝統行事を通じて、天候や農産物の無事、そして感謝の心が受け継がれていけばと思いました。 


 丹波市市島地域には、4つの酒造酒蔵があり、「酒蔵のまち」として知られてきましたが、その酒蔵の一つ、小鼓:西山酒造場の酒蔵の前に朝から長い列ができていました。

 「今朝搾り(けさしぼり)」というお酒を求めての長い長い列でした。
 この時期限定、蔵での販売限定ということで、各地から日本酒ファンが集まりました。
 私も1本を求め、市島の他の酒蔵の「奥丹波」、「百人一酒」とともに並べてみましたが、それぞれ蔵自慢の地酒です。
 こんなお酒が味わえることに感謝しながら、丹波の地酒が日本、さらに世界に広がるようにと思います。 


 この時期の四季の箱庭農園をご覧下さい。


 冬場で何も目ぼしい作物はありませんが、寒さに中でハクサイがありました。

 上皮は縮かんでいても、2〜3枚めくるとシャキッとしたハクサイになります。

 エンドウもこの時期定植しています。
 やがて春になって伸び出すと支え棒をしますが、今はこんな様子です。


 農園の赤レンガハウスの室内と森の中の野外に囲炉裏を設けました。

 森林セラピーやいろいろな語らいに活用できればと思います。


 「里山資本主義」の本の紹介です。

 「世の中が変わる。まったく新しい日本経済再生策」、「新しい社会モデルに圧倒的支持」、「新書大賞第1位!」などの華々しい文言がありましたが、これから里山が見直されると思います。

 「里山」って何も狭く山だけを指す概念ではなく、森を活かす広い意味でのまちづくり活動です。


 こんな寒さの中で梅のつぼみも膨らみ、開花も間近になりました。

 「春はそこに!」の奥丹波の今日この頃です。

丹波市市島町鴨庄 より
(2014.2.14)


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