季節の写真館 Vol,16
2001年2月20日

 2月とはいえ、晴れた日の陽射は、まさに春の陽気です。
 山に入ると、陽の温かさと冬の冷気の清々しさ、小鳥のさえずり、水のせせらぎと、そこは森林浴の場でした。
 今日は、県や町、森林組合、そして地元の人たちが大勢山に集まりました。もちろんみんな森林浴にきたのではありません。
 それぞれに夢を持ちながら、ある目的できたのです。それは何でしょう。

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 今日は、県や森林組合の主催で、「よみがえれ、松茸山!」というテーマで、現地での講習会があったのです。
 講師の方から、松林における松茸山の整備についていろいろとお話をお聞きしました。
 松茸は、菌根といって、松の根に松茸の菌が付着し生育するようです。
 でも、近年、山の環境が大きく変わり、松枯れや、地面は落ち葉などが堆積し、収量は激減しています。松茸を生やす人工的な技術は確立されていませんが、基本的な山の手入れで、確実な成果は出ているようです。

 早速、実習に移りました。
 地掻きといって、地面に堆積した木や落ち葉を取り除くことから始めました。
 こうすることによって、地面を乾燥させ、松の根の張りをよくし、松茸菌が付着しやすい環境づくりをすることになるのです。
 1本の松茸からは何と数百億の胞子(菌)が出るとのことです。

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 地面の整備だけでなく、落葉樹を切ることにより、土の養分を保持します。
 この作業も松茸山の整備作業です。

 ご覧下さい。
 近年、日本全国の松が枯れてきていますが、見上げると、ここの山の松は、枯れた松がなく、青々と天高く 伸びていました。
 晴天の空に松の緑が実に鮮やかでした。

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 松の根元です。
 先程、みんなで堆積した落ち葉を取り除きこんなにきれいになりました。
 今年は無理でも、3〜4年後には、大きな大きな松茸が見られるかも知れません。
 松茸に期待が膨らんだ一日でした。

 松茸は、今では嘘のような話ですが、つい数十年前までは、全国各地で豊富に採れました。
 お弁当のおかずに 松茸が入っていても「何だ、また松茸か」とあまり喜ばれなかったという話も地元ではよく聞きます。
 私の体験でも採れ過ぎて大きなかごに入りきらず、家と山を往復した記憶があります。そう、昔のことではありません。
 でも、近年、山の環境が激変したのです。里山が健全な時期は、山の幸も豊かでした。
 松茸の激減も、環境問 題に通じる問題の一つなのです。

市島町の松茸山 にて
(2001.2.20撮影)


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