季節の写真館 Vol,151
2012年2月8日

早春の花・セツブンソウが春の訪れを告げます

 今年の冬はとても寒い日が続きます。
 全国的にも大雪の記録が出ていますが、寒さの中の陽射しには春を感じるようになりました。

 2月3日は節分で、文字通り冬と春の境目、翌4日は、立春です。

 この時期の様子を訪ねて丹波市青垣町の江古花(えこはな)園を訪ねました。
 丹波市内では最も早く春を告げる「セツブンソウ」が開花する地です。

 この江古花園は、セツブンソウの群生の地であるほか、6月にはハスの花が楽しめます。


 可憐なセツブンソウの開花の様子です。
 実際の花は、写真よりずっと小さく、寒い冬の中でようやく春を告げるためにポッと花を開いたという感じです。

 当園の説明書からセツブンソウについてふれておきたいと思います。

 セツブンソウは、キンポウゲ科の多年草で、日本固有の種です。
 名前の由来は、早いものは節分の頃に開花することに由来します。
 花は直径約1〜2センチ、花茎は約15センチ。
 落葉広葉樹の林縁や林床、草原などに見られ、主に近畿、中部に分布し、県内では丹波、但馬、西播磨地方にわずかに残っています。

 この花は、一般的には石灰岩質の土壌を好むとされていますが、里山の荒廃、自生地の開発や園芸用の乱獲などが原因で個体数は全国的に減少しています。
 根は地中20〜30センチと深く、野外で掘り取っても別の環境にはなじまないということです。


 江古花園の裏山がきれいに整備されました。
 これまで生えていた杉などの木が伐採されました。

 里山ふれあい森づくりプロジェクトでは、整備した山にコナラや紅葉などを植栽して四季親しまれる里山づくりに取り組んでいます。

 生い茂った暗い林空が明るい林空に生まれ変わります。

 今、環境問題の大きなテーマは「自然循環」、「人、自然の共生の場」づくりです。


 毎年2月3日は丹波市市島町の折杉神社の「粥(かゆ)占いの神事が行われます。

 神社では、氏子によるお払いの儀式があり、今年一年の五穀豊穣、無病息災が祈願されます。


 この神事は神社に数百年伝わる節分にちなんだ行事で、市指定の無形民族文化財。

 鍋の中に、地元産の米と一緒に竹筒(長さ15センチ、直径2センチ)13本を入れ、筒の中に入った粥の多少により、13種の作柄を占います。


 13種類の農産物について、それぞれ「上々」「中」「下」などと豊凶を占います。

 米と竹筒を入れた鍋を30分間火にかけ、炊き上がると慎重に筒を取り出し割って粥の入り具合を確認します。

 今年は小豆、ぶどう、野菜の出来が上々と出ました。


 3センチ角の木片を火にくべて、今年の天候を占います。

 12個の木片の焼け具合で1月から12月までの天候が順番に占われ、特によく焼けた7月頃は日照りということです。


 市島町の「いちじま丹波太郎まつり」を覗いてみました。

 「いちじま丹波太郎」は、町内の農産物の集荷直売施設で、年間を通じて多くの生産者の農産物の直売や神戸などへこの土地の農産物が定期便で届けられます。

 毎月の月初め(日曜日)にこのまつりは開かれ、この季節の農産物の出荷やアトラクションなどが行われます。


 丹波太郎の直売所に並べられたこの時期の農産物を見てみました。
 寒中の農閑期なのでそんなに多くの農産物の種類はありませんが、新鮮さが売り物です。

 この時期の農産物は、大根、ハクサイ、サトイモ、ネギ、カブ、キャベツなどでした。


 この時期の四季の箱庭農園をご覧下さい。

 寒さの中で農産物に乏しい時期ですが、大根やハクサイ、また、今は休んでいる畑も春に備えての準備がありました。


 大根が大きく逞しく育っていました。

 寒さの中で大きくはなりませんが、それだけにいつまでも新鮮なまま畑にあり、収穫できます。


 ハクサイの今の状況です。

 寒さの中で帽子をかぶったような様子ですが、上の葉を何枚か取ると立派なハクサイが顔を出します。


 「地産地消」という言葉があります。
 その土地で収穫された農産物をできるだけ地域で消費するという意味です。

 四季を通じて様々な農産物を生産し、それを地域で消費し、また、それを求めていただける方にお分けするということで市内でも多くの直売所があります。
 また、四季を通じて様々な農業イベントが開かれます。

 まもなく春を迎え、本格的な農産物の作業が始まります。

丹波市市島町鴨庄 より
(2012.2.8)


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