季節の写真館 Vol,141
2011年1月15日

新春の山ノ神に「無病息災」、「農産物の豊作」を祈願して!

 新しい年を迎えて早や2週間余が過ぎました。

 奥丹波は、新春になって大雪ではありませんが、何回かの雪も降り、寒い冬の真っ只中です。

 寒いこの時期はお酒の時期ですが、新春は「鴨庄百人一酒」からです。
 100人の生産者がお米を持ち寄って、地元の蔵元が仕込み、生産者自らがラベル張りなどの作業を行い、仕上げました。

 どうぞこの一年がよい年でありますようにお祈りいたします。


 日本は「自然崇拝」の社会と言われます。

 1月10日、ムラでは、「山ノ神の例祭」がありました。
 農村には山にも田にも神様がいて、農閑期の時期は山に神が移り、治山治水、自然が守られるとされます。
 山ノ神を祭った場所(ホコラ)は山中にあるのですが、早朝から雪の残る山道をムラの人たちがホコラへと向かいます。

 ホコラは小さな小さな建物ですが、一年の初めに手を合わすことで神聖な気持ちになります。

 「無病息災と今年の農作物が無事収穫できますように」と・・・・・・。


 山道への道が山ノ神様に通じる道なら、参道への道は恵比寿の神様の道です。

 人出の少ない早い時間から、参道を神様に向かう姿がありました。

 毎年1月10日は「市島えびす」の日です。
 商売繁盛、家内安全などを祈願する大勢の人で賑わいます。


 ムラの神社でも1月14日に「トンド焼き」の催事がありました。

 これも縁起を担いだ行事です。


 神社の境内で「トンド焼き」が行なわれました。

 「トンド焼き」は、正月の飾りや書初めなどを持ち寄って、一年の家内安全を祈りながら焼くことを言います。
 全国各地でこの風習はあり、 毎年1月14日に正月行事として行われ、各家々から持ち寄ったしめ縄などの正月飾りを積み上げてトンドという聖なる火で燃やし、歳神を送るのがトンド行事です。

 トンドの火は聖なる火で、この火に当たると風をひかないとか病気をしないと言われます。
 また、トンドの火で正月もちを焼き、家族全員で分け合って食べ家内安全を祈ります。

 トンドで燃やす書き初めが、空に高く舞い上がるほど書が上手になると言われ、子どもたちはぼうぼうと燃える炎に向かって小さな手を合わせたりします。

 ムラのトンドは大々的なものではなくごく些細な行事ですが、トンドの精神は受け継がれているのです。


 この時期の箱庭農園にご案内いたします。

 この時期は一年で最も作物が少ない時期ですが、冬の寒さに耐えた野菜、冬を越して春に収穫するタマネギなどの姿がありました。


 白菜は、寒さのため上皮はすっかり縮かんでいます。

 でも、何枚か葉を剥けば、立派な白菜になります。


 この時期最も元気なのが大根です。

 寒い時期の鍋物などに重宝されます。


 ニンジンとネギもジッと寒さに耐えて育っていました。

 ニンジンは地中で春を待っているようです。


 こんなにか細い稚苗ですが、この時期のタマネギがありました。

 3月までほとんど見た目には大きくなりませんが、ジッと地中に成長のエネルギーが蓄えられているのです。

 収穫は5月になります。


 梅の木です。

 毎年槍のように新しい枝が伸びます。

 2月までの作業がこの枝を切ることで、ここから梅の花が咲き、やがて実を結ぶのです。


 長引く経済不況、混沌とした社会情勢下で、農村は過疎化や高齢化の進行、農業の低迷など様々な課題を抱えていますが、今、地域では「地域づくり活動」が大きな課題となっています。

 鴨庄(かものしょう)という地域は、現在農業を通じた都市との交流活動を行なっていますが、新たに今年の5月を目途に神戸にオープンする大型ショッピングセンターに丹波・鴨庄産「旬」、「安心・安全」の野菜などの提供をしていこうと計画しています。

 これから、このチラシで生産者の募集を行なう予定ですが、この取り組みに限らず多くの方と元気の交流ができればと考えています。

 どうぞ、皆様よろしくお願いいたします。

丹波市市島町鴨庄 より
(2011.1.15)


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