季節の写真館 Vol,111
2007年11月6日

秋が日ごと深まっていく晩秋を迎えて!

 11月に入り、朝夕冷え込んできました。

 奥丹波の秋は日ごと深まって行きます。 晩秋の風情です。

 白壁の土蔵に落ちていく柿の葉、そしてまばらになった柿の実がこの季節に似合います。

 一葉(いちよう)落ちて天下の秋を知る!


 10月からこの時期にかけて、丹波は秋のお祭りに沸きました。
 秋のお祭りはそのほとんどが収穫祭で、本来豊かな実りに感謝するお祭りです。

 11月に入り、秋の締めくくりのこの時期に、丹波市市島地域で「いきいきフェスタ」というお祭りがありました。
 農業祭であり、産業交流祭であり、また、秋の文化を彩る文化祭でもあるのです。

 今年も好天に恵まれ、大勢の人で賑わいました。
 生産者が精魂込めて作られた自慢の農産物が、また、その農産物で一生懸命造られた加工品が並び、売る人と求める人との交流の場でもありました。

 今年の秋の収穫祭はほとんど終了しましたが、11月11日に丹波市春日地域で「あぐりフェスタ大路」という収穫祭が予定されています。
 これがフィナーレです。


 秋は味覚の秋だけでなく、文化の秋です。
 この「いきいきフェスタ」の会場は野外だけでなく、屋内の施設を活用して様々な文化活動や展示も行われました。

 それぞれのコーナーは、人それぞれの特技を文化の形で表現する場でもあるのです。

 中学生も力一杯、劇を演じていました。
 写真の場面は「3年2組 金八先生」のひとコマでしたが、「ひとりの友の立ち直りを声援する」という表現力、演技力に感心しました。


 この日、丹波いちじまふぁーむに尼崎から4人の年配の方の訪問がありました。

 10年前に一つのきっかけで知り合った方の「一度丹波に行ってみたい」、「込み入った街にない丹波の自然にふれたい。」という永年の思いがこの日叶ったのです。

 他の知人を誘って来ていただき、「本当に丹波っていいところね!」と言われると、こちらも嬉しくなります。

 地場で、旬をいただく。
 これに勝る幸せなし。
 農園の食事に大変話が弾みました♪


 この時期の主な農産物を取り上げてみました。

 丹波の秋の味覚と言えば松茸!。
 近年丹波産松茸は激減していますが、それにしても今年は例年になく不作でした。

 しかし、あったのです♪
 今年はこれが最初で最後でしたが、10月末にこんなに松茸を見つけました。


 小豆も丹波の特産品です。
 赤いダイヤであり、丹波の小豆は「大納言小豆」という称号があるぐらい由緒があります。

 丹波大納言は、昔から宮中への献上品でした。
 この時期、農家の庭先では、天日で乾かし、おばあさんが選別される光景が見られます。


 季節が進んでさらに寒くなると鍋物が恋しい季節です。
 白菜、大根が美味しい季節です。
 これからの寒さで、白菜の葉が巻いていきます。
 大根も煮炊きに合います。


 この時期まだナスがなっていました。

 6月からこの時期までのロングランの作物です。


 このハスの葉のような作物はサトイモです。

 掘るといっぱい子いもがついているので、「子沢山」の縁起も担ぎ、お正月のお節料理にもなります。


 市島にはNPO法人「いちじま丹波太郎」という地元の生産者が農産物を持ち寄る販売所があります。

 ここの店先で今の時期の農産物を扱っています。

 来られた時は、立ち寄って季節の農産物をぜひ、確かめて下さい。


 何度かこのHPでふれていますが、神戸とムラの生活を行き来し、写真をはじめ、いろいろな文化活動をされている方が居られます。

 小山泰三さんですが、文化の秋の締めくくりとして、小山さんの写真展にふれたいと思います。

 現在、「城下町・宿場町モノクロ写真の小さな旅」のテーマで、小山泰三写真展が開かれています。
 11月2日〜11月10日まで神戸展(トーアロード近く 茶の湯サロン078−332−5476)
 11月20日〜11月30日東京・銀座展、そして、12月に奥丹波の農園・赤レンガハウスで作品展を予定しています。

小さな旅によせて(小山さんメッセージ)

 ある週末「小さな旅」をしたくなって「三ノ宮駅」からふらりとJRの電車に乗る。
 2時間ほど、うとうとゆられていると何時の間にか琵琶湖の東岸に出て、終着駅「長浜」に着く。

 扉を手で開閉する古い型の短い編成の電車に乗り換え四つ目が「木の本駅」である。

 中世から残る北国街道の宿場町である。
 大都市から来た身には別世界の何の変哲もない良い意味の田舎町の空気が満ちている。
 この日は、祭りかとかの行事は何もなく街は静まり返っていた。
 そこには歩く人も居ない。
 しかし、そこは懐かしいふるさとの匂いがした。
 晩夏の日差しが旧北国街道に照り返している。
 古びた民家の軒先は黒々と翳り地面には鉢植えの花がひっそりと咲いている。

 ここには、何処にでもある誰もが持っている何時ものふるさとがあった。

 私は、こんな「小さな旅」をここ数年続けてきた。
 何もない日に、何も大きな観光ポイントのない歴史の街。
 しかし、偶然が重なって思いがけず秋祭りに遭遇したこともある。

 そんな街にひっそりと息づく人々の営みに詩情を求めて、小さな気ままな旅を続ける。
 日帰りの旅、私は「平凡な街の姿にこそ真実がある」とシャッターを切る。

 季節が巡るように、人もまた旅ですよね!

丹波市市島町鴨庄地区 にて
(2007.11.6)


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